「体が弱くてなかなか普通の仕事ができない…」
そんな悩みを持っている方が、ようやく声をあげられるようになってきました。
以前は「甘え」だと的はずれな根性論が振りかざされていましたが、働き方は少しずつ変化しています。
とはいえ、まだまだ多くの企業では虚弱体質の方に対する体制が整えられていません。
誰でも、どんな人でも一番働きやすい職場の実現はまだまだ先のことになってしまうでしょう。
それでもできるだけ会社に迷惑がかからないよう、自分に適したものを探している方にとっては難しい時代が続きます。
そこでここでは、体の弱い方でも働きやすい職種をいくつかまとめて紹介!
また「オフィスワークは本当に働きやすいのか?」という視点から、仕事の選び方についても考えていきましょう。
虚弱体質の方向けの仕事4選。できるだけ負担のかからない職種を選ぼう
「体が弱い」ということは、健康体の方には理解されにくいことですよね。
また同じく虚弱体質の人でも、「私はできたから」となぜか上から目線で話されることがあります。
理解されないばかりで仕事が続かず、周囲からも心ないことを言われ、悩んでいる方は少なくありません。
周囲に追いつこうと必死でがんばっても、そのせいで体調を崩してしまいかねません。
まずはそうしたストレス源を一切考えずに、「負担の少ない仕事」に焦点をあててみましょう。
もちろん精神的に疲れ切ってしまっている場合は、充分な休養を第一に考えてください。
在宅勤務でできること。フリーランスで自己管理能力をつけていく
在宅での仕事というと、細々とした内職を思い浮かべる方が多いと思います。
でもいまはクラウドソーシングの時代。
記事を書くライターだけでなく、簡単なアンケートや長期型のプロジェクトなど、自宅にいながらでも行える作業依頼がたくさん登録されています。
これらは「クラウドワークス」もしくは「ランサーズ」などに登録すると受注可能。
その後は発注主とチャットやメッセージでやり取りしながら作業を進めていくことになります。
納期には充分気をつけて。評価によっては信頼を失うかも
フリーランスの仕事をするうえで最も気をつけるべきなのは作業納期です。
クラウドソーシングに依頼を発注しているのはあくまでも「企業」であり、「個人」ではありません。
少しくらい遅れてもいいや、という軽い気持ちでいると、低評価をつけられどんどん信頼を失っていきます。
人気の案件はすぐに募集が終わってしまいます。
また応募が殺到すれば採用される可能性はどんどん低くなり、かつ低評価であれば、依頼主があえて選出する理由はなくなってしまいますよね。
体調に無理のないペースで作業を続けられ、かつ充分に間に合う納期設定を行いましょう。
治験モニターはまずは登録から。疾患を抱えた方向けの案件も多い
続いては治験モニター(ボランティア)。知っているという方も多いかもしれません。
治験とは新薬の臨床試験のことで、まだ世間には出回っていない薬の試験をするものです。
一般的には臨床試験の案件を取り扱っているサイトに登録し、そこから案件に応募していきます。
ボランティアと書いてありますが、「負担軽減費」という名目の報酬が支払われるので心配は無用。
最近では「うつ」「睡眠障害」「高血圧」など、疾患を持っている方向けの治験案件も増えてきました。
治験を受けるためにはアンケートに応え、その新薬を投与しても問題ないかどうか入念に調べられます。
数を受けられるわけではありませんが、まずは登録、応募するところからはじめてみましょう。
案件によっては数十万円も!?入院型の治験はかなり気が楽
治験の種類は大きく分けて、「通院型」「入院型」の2つと、これらが組み合わさったものがあります。
「通院型」では薬の投与を受けながら、指定された医療機関に定期的に通うものです。
通院1回あたりで報酬が定められており、7,000円~10,000円程度が支払われます。
「入院型」ではその名の通り、指定された病院に入院、投薬や検査を受けながら治験を行います。
入院日数や治験の規模によって異なりますが、なかには数十万円単位で報酬がもらえることも。
また入院型は他の被験者と一緒になるのですが、交流もほとんどなく、人と関わるのが苦手な方でも安心です。
ただしお菓子やジュースは摂取できないなど、いくらか制限があることを覚えておいてくださいね。
週3日、4日勤務の正社員雇用を探す
それでも、どうしても働きに外に出たいという方は多いですよね。
「体が弱いならフルタイム勤務は無理」と書いてあるサイトも少なくなく、諦めてしまっている方も多いかもしれません。
しかし最近、週3日、あるいは週4日勤務の正社員雇用を行う企業が出てきています。
体が弱い人が休みやすいだけでなく、育児や家族、プライベートを大切にする社風へ
比較的新しく設立された企業や、IT系企業に多いのが「健康第一」の社風です。
体が弱い方でも働きやすいよう、リモートワークや在宅勤務が認められています。
また育児に時間を費やし、家族とのプライベートタイムを優先できる企業も増えてきています。
こうした時代に則した企業を見つけるのは至難の業ですが、SNSなどをくまなく探すと見つかりやすいです。
また最初のうちはパートで週3日程度入り、体を慣らしてから少しずつ増やしていく、という方法も考えられますね。
オフィスワークは本当にオススメできる?体の弱い方の仕事の選び方
ところで、「体が弱いならオフィスワーク」という文章をよく見かけますよね。
確かに体を動かす肉体労働は少ないので、必然的にオフィスワークを選ぶ方は多そうです。
しかし、それでも体調を崩してしまう方はいますし、逆に自分を追い込んでしまうこともあります。
体の弱い方に、本当にオフィスワークはオススメできるのでしょうか?
精神的に追い込まれないように、一日の仕事量の目安を考える
肉体労働の少ないオフィスワークでは、自分の仕事をどこまでこなせるか、タスク管理が重要になります。
例え「今日はこれとこれをする」と決めたとしても、集中力がなくなったり、別の仕事が入って達成できない、ということがありますよね。
すると少しずつストレスが蓄積されていき、体調を崩し、なし崩し的にタスク管理ができなくなっていきます。
体の弱い方は特にこれが顕著で、「他の人はできるのに」と自分を追い込んでしまいがちです。
できるだけ一日にこなす仕事の目安を低く設定し、自分に追い打ちをかけないよう努めてください。
できるだけ上役や仲間に理解を求められる環境を作ろう
仕事の量を制限していると、上司から目をつけられたり、同僚から嫌な顔をされることもあるかもしれません。
そういったことを避けるためには、事前に「体が弱い」ことをカミングアウトしておきましょう。
できれば面接時に告白しておくのが望ましいですが、そうすると採用されないのではという不安もありますよね。
しかし仕事をはじめたあとに「体が弱い」とカミングアウトしても、それこそ嫌な顔をされてしまいかねません。
「体が弱い」と言うのではなく、「体調を崩しやすい体質」「以前少し体の調子を悪くしていた」など、言葉尻に添えるような言い方をしてみてください。
少し勇気がいるかもしれませんが、面接時に許容してもらえないのなら、働き始めてから認められるわけがありません。
肝心なのは「肉体労働の有無」ではなく「職場環境」!
ここまで見てみると、一辺倒に「オフィスワークがオススメ!」とも言い難くなってきましたね。
肉体労働があるかないか、もちろんそこは重要ですが、最も大切なのは「オフィスの環境」です。
どんなに体力的に辛くない職場でも、ストレスが溜まりやすければそこから瓦解してしまいます。
人間関係がイヤでイヤで体調を悪くし、退職したという人も少なくありませんよね。
体力的に厳しい方は、特に仕事選びには慎重にならなければいけません。
まとめ:仕事を選ぶときは慎重に。面接時には体が弱いことを伝えよう
体が弱い方が仕事をはじめるときには、不安なこと、心配なことがたくさんあります。
「フルタイムで働きたいけど、ダメだったら…」
「ウザがられたらどうしよう…」
常に健康な方には理解されにくい体の弱さは、病名がついていない限り証明することが難しいものです。
理解のある方、企業を見つけるためには、慎重に面接を重ねていく必要があります。
なんでもいいからとヤケになって、適当な派遣や事務に応募したら、さらに体を壊した…。
なんてことのないよう、働きに出る方は充分に気をつけてくださいね。