2016年の前半頃までは副業としても好調だったチケット転売。
しかし年々逮捕者が増えるなど、世論的にもチケット転売そのものがやりにくくなっているのが現状です。
では、そもそもなぜチケット転売はダメなのか?
今回はチケット転売に規制がかかってきた流れと、これからチケット転売をするのはおすすめできない理由をまとめました。
チケット転売はいずれ駆逐される。おすすめできない理由
2016年まではチケットキャンプ(チケキャン)の隆盛によってかなりの盛り上がりを見せていたチケット転売。
2017年には逮捕者も続出して一時の勢いはすっかり無くなりました。
近い将来、チケット転売は確実に駆逐されていくでしょう。
そう考えられる理由4つです。
- 法律的には限りなくグレー
- ファンや一般ユーザーから叩かれる
- 迷惑防止条例に抵触する可能性も
- チケット自体が電子チケットに変わりつつある
法律的には限りなくグレー
法律上ではチケットを始めから転売する目的で購入して転売をすることは禁止されています。
しかし、初めは行くつもりで購入し、行けなくなってしまった場合に誰かに定価、もしくはそれ以上で譲るのは違法ではありません。
このあたりがかなり曖昧なのですが、例えば数枚のチケットを定価以上の価格で売りに出したとしても、最初から転売目的で購入したというのは証明できませんよね?
なので単純にこの場合には一概に違法とされることはないようです。
明らかに同じコンサートのチケットを大量に売っていたり、高値で販売していると違法とみなされる可能性はあります。
ファンや一般ユーザーから叩かれる
転売業者は、ファンサイトで行われるライブやイベントなどの公式抽選に、他人名義で大量に応募を行いチケットを仕入れます。
このチケットを高額で転売することで儲けを得ています。
問題なのはこの転売業者が組織的に大量のチケットを買い占めてしまうことで、一般のファン、ユーザーが正規にチケットを手に入れることができなくなってしまうことです。
法外な値段の為、ファン達はチケットを買うことができません。
ライブ会場は空席が目立つなんてことになれば、仮に単純に売れ行きが良くないことも理由だとしても真っ先に叩かれるのはチケット転売業者です。
迷惑防止条例に抵触する可能性も
チケットを会場周辺で売る人の事を『ダフ屋』と呼びます。
2009年の時点で47都道府県中40都道府県の迷惑防止条例でダフ屋行為は禁止されており、次の2つの行為のいずれかを行うとダフ屋行為として刑事罰の対象となる。(未遂も処罰される。)
・転売目的でチケット類を公衆に対して販売する場所において購入し、または購入しようとすること。
・公衆の場で、チケット類を他社に転売し、または転売しようとすること。
ダフ屋行為については上記のようになっており、やり方によっては即時逮捕されるということは知っておいた方がよいでしょう。
チケット自体が電子チケットに変わりつつある
チケット転売によって、本来のファンが会場に入れなくなっていることを受け、チケット販売側として紙のチケットを廃止する動きになってきています。
次第に入場には本人確認書類(写真付)とスマホのバーコード、QRリーダー等が必要になって来ています。
システムはまだ完全ではないので、偽造証明証などを使えばまだ抜け道はありそうですが、そこまでいってしまうと本当に犯罪になってしまいます。
副業として少し稼ぎたいはずなのに、こんなことで犯罪者になってしまうのは本末転倒だとは思いませんか?
できればこうはなりたくない。チケット転売による逮捕者例
これまでにチケット転売により逮捕された例を挙げてみました。
これを参考にあなたはこうならないようにして欲しいと思います。
ジャニーズグループ、EXILEのチケットの逮捕者
嵐のコンサートチケット転売で逮捕
2016年の9月、嵐のコンサートチケット5枚を、ネットで定価の1.5倍の7万円で転売していたことで逮捕。
ネットからの通報で警察が動き調べた結果、古物商免許を所持していなかったことで古物営業法違反での逮捕となりました。
JCASTニュース
EXILEのコンサートチケットを会場で販売して逮捕
2017年5月、EXILEのコンサートチケットを転売目的で大量に購入したとして逮捕。
コンサートの当日に、不正にチケットの受渡しをしている数人を警備員が目撃して警察に通報。
受渡しに使われていたチケットは男性が購入したものと判明した。
事情聴取で男性は転売目的での購入は否定したが、明らかに転売目的でのチケット大量購入と判断。
ダフ屋行為となり迷惑防止条例違反の疑いで逮捕となった。
朝日新聞DIGITAL
乃木坂46のコンサートに他人名義のチケットで入場しようとして逮捕
2017年5月、27歳の男性教諭が乃木坂46のコンサートに他人名義のチケットで入場しようとして逮捕される。
チケットには転売防止の為に購入者名が記載されており、本人確認の際に名前はチケット購入者のままで、写真だけを自分のものにした偽造学生証を提示。
出品者に自分の写真を送り、返送された偽造されたものを使用した為、偽造有印私文書行使の疑いで書類送検。
ちなみにこの男性は定価の4倍の価格でチケットを購入したとのこと。
こうやって見ていくと逮捕者は結構出ていますね。
チケット転売の情勢は下火ですが、当面は完全に無くなっていくことはないとないでしょう。
しかし法律的にも規制的にも更に強化されていくのは予想されるので、逮捕者はこれからも増えていく可能性があります。
チケットキャンプ終了で、転売業者の廃業は加速する?
チケットキャンプは、株式会社ミクシィの完全子会社である株式会社フンザが運営していたチケットの売買サービスです。
元々はチケットを持っているが急用で行けなくなってしまった人と、チケットを欲しがる人とを繋ぐサービスでした。
2017年12月7日にはジャニーズ事務所の商標を侵害し、商標法及び不正競争防止法に違反したとして家宅捜索。
同年12月28日にはチケットの不正な転売があったとして家宅捜索され、チケット販売会社から転売目的を隠し他人名義で購入してだまし取ったとして、フンザの元社長と大阪市の転売業者が書類送検されています。
これを受けてチケットキャンプはサービスを終了。
このチケットキャンプは元は一般ユーザー同士を繋ぐためのサイトでしたが、次第に転売業者の温床となっていました。
大手のチケット販売サイトが閉鎖されたということで、チケット転売を生業としていた業者からはかなりの反発がありました。
チケットキャンプ以外にも販売サイトはいくつかありますので、転売業者達はこちらに流れていくと見られています。
しかし、チケット販売サイドがあらゆる手で転売を防ごうとする以上、今後チケット転売をビジネスにしていくのは難しいと言えますね。
まとめ:チケット転売はやめておけ!法律的にも限りなくグレーな上にファン達から恨まれる可能性も
年々チケット転売に対する取り締まりが厳しくなっています。
またチケット転売は社会的にイメージの良いものではなく、ファンから批判を買うこともあります。
法律も絡んできて逮捕者も出てきている以上、素人が気軽に手を出していいジャンルの副業ではないということです。
やるならあくまでも自己責任でやるようにして下さい。