仕事の量は多く、責任は重い。おまけに最近は親のプレッシャーがきつくて、やってられない!
年々教師の仕事は、肉体的・精神的に重労働になっていますよね。
これで給料が高ければいいですが、頑張っているからといってなかなか給与に反映されないのが、教職のツライところだと思います。
給料が増えないなら副業でも、と考える人は多いでしょう。
ところが、公務員の場合は副業が禁止されていますし、私立の教師もやや難しい部分はあります。
そこで今回は、これなら規定に違反しない、という学校教員向けの副業をセレクトしてみました。
まずはおさらい。副業禁止の教師は誰のこと?
教師と一言に言っても色々です。
保育士さん、幼稚園教諭、小・中・高校教員、大学教授、専門学校教員、とても幅広いです。
それに私立・公立の2種類と、常勤・非常勤の雇用形態があります。
自分自身の立場は把握しているという人が多いでしょうが、まずは誰が禁止されていて、誰が副業OKなのか確認してみましょう。
区分 |
雇用形態 |
副業 |
備考 |
公立 |
専任 |
× |
法律で禁止 |
非常勤 |
○ |
問題なし |
|
私立 |
専任 |
△ |
実質困難 |
非常勤 |
○ |
問題なし |
いわゆる法律で禁止されているのは、公立学校の専任教諭です。
社労士に聞いた、副業禁止の会社で副収入を得る方法はあるか?のページでも書きましたが、抜け道はほとんどありません。
監督官庁の許可を得れば副業可能と読み取れなくもないですが、特別な事情なく副業の申請をしても許可は降りないのが実情です。
同じ公立教師であっても、非常勤の場合は問題ありません。
むしろ代用教員などは、年間で1週間程度しか勤務がない場合もあるので、他に仕事をしないと生活ができません。
ちなみに専任、非常勤というくくり方をしましたが、常勤教員は非常勤と同じ扱いだと考えられます。
私立ならなんでも副業OKというわけでもない
次に私立教員ですが一言で言うと、「その学校による」といえるでしょう。
専任教員であっても、就業規則に規定されていなければ副業可能です。
ただ公立学校よりも仕事量が多い私立学校において、副業できるのか?という問題は別で残ります。
非常勤教員の場合は問題なく副業できます。
ただし、勤務先の学校と掛け持ちで、その学校の入学を目指すための塾・予備校に勤務するのは仁義の上で問題があるかもしれません。
また、他校との掛け持ちをしないよう学校側から要請される場合もあるので、その場合は従うまでです。
どこまで副業が禁止されているのか?
公務員の副業禁止については、国家公務員法および、地方公務員法で定められています。
ただし法令の中で、例外的に認められている副業があります。自営の内容に関して細かく規定されているのですが、以下は禁止されている内容です。
- 「大規模な農業、牧畜、酪農、果樹栽培、養鶏等」
- 「戸建てなら5棟以上、マンションなら10室以上の部屋の賃貸」
- 「10件以上の土地の賃貸」
- 「劇場、映画館、ゴルフ練習場等の不動産賃貸」
- 「旅館、ホテル等の建物の賃貸」
- 「駐車台数が10台以上の建築物である駐車場又は機械設備を設けた駐車場の賃貸」
- 「年額500万円以上の賃貸料収入がある不動産又は駐車場の賃貸」
- 「10キロワット以上の太陽光電気の販売」
(https://mayonez.jp/topic/3615#num_99647より引用)
不動産や駐車場経営に関する内容が多いですが、これは相続による取得があった場合を想定してのことでしょう。
また、「自ら営利企業を営むこと」は明確に禁止されていますが、名義が他人であっても客観的に見て実質の経営者が本人である場合は、禁止事項に該当します。
従って、配偶者や家族名義で副業を営むというのは難しくなります。
隙間を狙う、これが教師のできる副業だ
一言で言うと、禁止事項として明文化されている内容を「小規模」でやるか、規定されていない副業をするか、このどちらかになるでしょう。
考えられる可能な副業は次のとおりです。
- 投資(FX・株・仮想通貨)
- 小規模な不動産投資
- 小規模な農業
- 教育以外の著述業
- ネットビジネス
- 住職
投資(FX・株・仮想通貨)
投資に関しては規定がありません。
従って職業上、最も安全な副業のひとつといえます。
ただし現実問題、授業中にチャートを見る、値動きを追うということは不可能です。
そのため株式投資であれば、中長期の保有に限定されます。
勤務時間外にデイトレのような短期の取引をしたいというのであれば、FXまたは仮想通貨で取引するしかありません。
仮想通貨はまだ認知度が低く、ビットコイン以外にも割安なコインも多いので、こまめにチェックせず、長期保有で利益を出すという方法もあります。
小規模な不動産投資
禁止規定にある戸建て5棟、マンション10室以上の不動産物件を所有すれば、収益が大きくなり空室時のリスクも減ります。
しかし最近ではシェアハウスなども人気で、一戸建てを1棟、ファミリー向けのマンションを1室所有し、複数の人に安く貸すことも可能です。
物件数が少なければそれだけ管理の手間暇も省けるので、本業にも支障が出にくいメリットがあります。
所有件数が少ないと空室の場合のリスクが大きくなりますが、低価格な物件を現金で購入し、ローンの返済を無くすればリスクは回避できます。
小規模な農業
農作物を作って売るというよりも、自家消費するという考えで行なうのがベターです。
それだけでも家計の足しにはなります。
都市部ではレンタル農園なども人気です。
作物を育てる喜びと実益を兼ねた副業として行ってはいかがでしょうか?
教育以外の著述業
教育に関する著述で報酬を得ると規定に違反します。
なので、本業と関係のない執筆がいいでしょう。
おすすめは小説の執筆です。
報酬はありませんが、もし賞レースに絡むと賞金が出る場合があります。
趣味を続けながら、ひょっとしたらお金になるかもという範囲で行なうにはおすすめです。
ネットビジネス
非常にグレーなですが、副業規定では禁止されていないと解釈できます。
法人化する、店舗を持ち人も雇うとなると完全にアウト。
しかし個人でフリマアプリで転売をする、アフィリエイトをするというのは許容範囲だと思われます。
いずれにせよ、申告不要な年間20万円以内で収めておくのが無難でしょう。
住職
明治時代からの流れなのか、お布施による収益は副業とはみなされません。
だからといって僧侶の資格をとって住職として副業するかというと…。
素人には難しいですが、実家がお寺で、兼業で教師をしている人は問題がありません。
まとめ:本業にプラスになる副業ができればベスト
禁止されている副業を抜け道を探しながら行なうのは危険です。
小規模な投資など本業に支障のない範囲で行なうのが賢明でしょう。
日本はお金に関する教育をほとんど受けないまま、社会に出るケースがほとんどです。
なので、教育現場に活きる副業ができればベストですね。