ヤフオクやメルカリ、せどりで中古品を売って収入を得ている場合、古物商許可を取得しておくと大きなメリットを得ることができます。
この記事では、古物商許可とはどのようなものか、取得するとどういったメリットがあるか、そして個人で古物商許可を取得するための手続きの方法についてまとめています。
取得に費用はかかりますが、せどりや中古品の転売を副業としている場合は持っていて損はない資格になりますので、ぜひ知っておきましょう。
古物商、古物商許可とは
古物商とは、古物営業法に規定されている古物を、業として売買するために必要な資格です。
古物のレンタル、リース等の場合でもビジネスとして取り扱う場合には古物商許可が必要となります。
業者は取り扱う商品によって「リサイクルショップ」「金券ショップ」「中古自動車、PCの販売やレンタルのお店」という風に看板を掲げています。
これらのお店は、古物商の許可を得て営業しているのです。
「古物商許可」が必要なのは「ビジネスとして古物取引を行う場合」
メルカリやヤフオクを利用している人の大多数は古物商許可を取得していませんが、個人間でこのような取引をする分には「古物商許可」が必要というわけではありません。
あくまでも必要となるのは「業」として古物取引を行う場合です。
お店を構える場合はもちろん、インターネットで大量の古物取引をして収入を得ている方や、プレミアものを頻繁に転売し利益を得ている場合などは警察による捜査が入る可能性があります。
無許可で古物取引をするとどうなる?
無許可で古物取引業を営業した場合、「3年以下の懲役」または「100万円以下の罰金」という重い罰が課せられてしまいます。
さらに、5年間は古物商許可を取得することができないというペナルティも発生してしまいますので注意が必要です。
無許可での営業はリスクが高いので、古物商としてビジネスを始める場合は必ず資格を取得するようにしましょう。
個人で古物商許可を取得するメリット
せどりや転売で副業をしている個人が古物商許可を取得するメリットについてまとめてみました。
取得していて損をするということはありませんので、副業として稼いでいる場合はこれらのメリットを良く知っておきましょう。
ビジネスとして古物取引をすることが出来る
副業やビジネスとして古物取引をしたいと思っている場合は、古物商許可を得ておけばコソコソとすることなく堂々と取引をすることが可能です。
古物商許可が無い場合、取引相手が不安感を持ち交渉に応じてくれないなどの事態が発生することもあります。
ビジネスチャンスを逃さないためにも、古物商許可は必要な資格と言えます。
古物市場へ参加することができる
古物商許可を取得すると、「古物市場」という大きな取引市場に参加することが出来ます。
古物市場は、古物商許可を持っている人のみが参加できる市場で、大量のリユース商品を安く仕入れられる大きなチャンスとなる場所です。
古物商許可の大きな目的の一つに「盗品の流通防止」という側面があるため、許可を得ている参加者しかいないこの市場には、盗品が流入している可能性がほぼないという利点もあります。
税金対策をすることが出来る
転売やせどりで大きな負担となるのが仕入れ時のお金、そして売上時の税金です。
古物商許可を得ずに転売した場合は、売上金額の全てに税金がかかってしまいます。
例えば70万円で購入した商品を100万円で転売した場合、古物商許可無く行った取引だと売却金額の100万円すべてに税金が課税されます。
しかし古物商許可を得て税務署に開業を届け出ている場合、売上金額の100万円から仕入れ金額の70万円を引いた30万円にのみ課税されることになるのです。
これは業として古物取引をする場合非常に大きな差額になってきますので、古物商許可を得ておく大きなメリットの一つと言えます。
取引相手から信用してもらうことが出来る
顧客となる相手は古物商許可を持って営業している業者とそうでない業者なら、やはり許可を持っている業者を選びます。
中古市場は顧客の取り合いでもあるので、特に顔の見えないインターネットでの取引で勝負するなら古物商許可を持っているのと持っていないのとでは大きな差が出てきます。
ライバルが古物商許可を持っていない場合はアピールポイントとなり得るので、こうした取引で有利になるためにも資格を取得しておくようにしましょう。
個人での古物商許可の取得費用と方法
個人で古物商許可を取得する方法についてご紹介していきます。
古物商許可の取得は個人でも十分可能ですので、必要な書類などをしっかり確認して手続きするようにしましょう。
手続きを行う場所
古物商許可の手続きを行ってくれるのは警察署です。
お店をかまえる場合はお店の所在地を管轄する警察署に申請を行います。
インターネットサイトでの販売業を営む場合などは、最寄りの警察署で申請しましょう。
手続きの流れと必要書類
まず古物商許可に必要な書類を準備します。
必要書類は以下の通りです。
申請書類
- 古物商・古物市場主許可申請書
- 営業所・古物市場
- ウェブ利用の可否
その他書類
- 住民票
- 身分証明書
- 登記されていないことの証明書
- 略歴書
- 誓約書
略歴書や誓約書などの必要書類に関しては警視庁のホームページからダウンロードすることが可能です。
「登記されていないことの証明書」は法務局に申請します。
郵送での申請も出来ますが、日にちがかかるので急ぐ場合は窓口へ行くことをおすすめします。
「登記されていないことの証明書」の発行には、身分証明書、印鑑、収入印紙(300円)が必要です。
略歴書とは、過去五年間何をしていたかという職務履歴書のような書類です。
内容を記載して署名、捺印します。
インターネットで古物取引を行う場合はストアのURLを届けるようにします。
費用
古物商許可の手続きを全て自分で行う場合は、警察署で発行される証紙19,000円分と、収入印紙代などの費用負担で済みます。
しかし必要書類も多く、いろいろな役所に書類を取りに行ったりするのは大変です。
そうした煩雑さを解消したい場合や、手続きに不安がある場合などは代行業者に依頼することもできます。
一般的には行政書士などに委託を行い、代わりに手続きをしてもらいます。
費用は4万円~5万円が相場と言われていますが、依頼するだけで余計な時間を使わずに資格を取得できますので、資金があれば委託したほうが確実で面倒がなくて済みます。
発行までの期間
古物商許可の認可が降りるのには、最低でも40日ほどは必要と言われています。
中には60日を経過しても審査中であるというケースもあるようなので、古物商許可の取得手続きは早めに行うのが良いでしょう。
まとめ 個人でも古物商許可を取得するメリットはたくさんある
古物商許可の取得には資金と時間が必要ですが、その分様々なメリットがあります。
自分用に購入した不用品を売却する、または自分で使うための物品を購入する場合には特に必要のない資格ですが、利益を得ることを目的とした転売、せどり、などを行う場合は、メリットの多い資格となります。
申請するだけで資格試験などが必要な資格ではありませんので、中古品の売買のビジネスを行うのであれば、ぜひ取得しておきましょう。