男子が必ず通る道と言っても過言ではないプラモデル製作。
大人になっても趣味として続けている人は少なくありません。
プラモデルの完成品がネットで売れたり、それで生計を立てたり副収入を得ている人がいることをご存知でしょうか?
今回はプロモデラーの収入など、気になるプロモデラーの実態を調査してきました。
子供のおもちゃ?今更聞けないプロモデラーとプラモデル
男性の方は特に、子供の頃プラモデルで遊んだ経験はないでしょうか?
プラモデルにも様々なジャンルがあり、業界の一大産業といえばガンプラですが、その他にも車やバイク、キャラクター系、その他ロボット系、中にはお城なんてものもあります。
一般的にはプラモデル制作を趣味とする人をモデラーと呼び、その中でも制作を生業としている人のことをプロモデラーと呼びます。
特にガンプラは「ガンダムプラモデル」の略で、パーツの成形技術の向上により日々進化を遂げています。
ガンプラのグレードや価格の高いものの完成度はもはや子供のおもちゃレベルを超えています。
パーツによって細かく色分けされているので、素人にもニッパーさえあればそれなりのクオリティで簡単に仕上げることが可能になっています。
しかし観賞用やコレクター目的で所有される人にとっては、ガンプラの出来栄えも大事です。
個人ではなかなかそのクオリティーでは製作できないのでモデラー達に依頼をするのです。
もはや芸術家。プロモデラーの収入源
プラモデル作りを趣味としている人をモデラーといい、プラモデル作りで生計を立てている人をプロモデラーといいます。
プロモデラーは自分の製作したプラモデルを販売したり、ホビー雑誌に記事を書いたりして生計を立てます。
しかし日本国内で見ても専業プロモデラーとして生活するのは難しくほとんどいません。
だいたいは模型店等に務める傍らプラモデルを製作することが多いです。
一つの作品を作るのに1~2ヶ月単位でかかることもあり、やっている内容はまさに画家や芸術家のようです。
プロモデラーは知名度が命!
プロモデラーになるためには技術はもちろんのことなのですが、もう一つ必要なものがあります。
それは『知名度』です。
例えば全然知らない人が「あなたのプラモデルをかっこよく作ります」等と言ってきたとしても、技術もどんな人かも信用はできませんよね?
ではどうやって知名度を上げるかといえばコンテストでの評価です。
ガンプラのコンテストの有名なところでは、バンダイの主催するガンプラビルダーズワールドカップ(GBWC)というコンテスト大会があります。
これは世界大会まであり、世界大会には日本大会での優勝、準優勝者が出場できます。
また模型店が開催しているようなコンテストもあり、モデラーとして活躍していくためにはこれらのコンテストで入賞の常連にならないといけません。
どうやって売る?あなたの作ったプラモデル
まず製作したプラモデルを販売する方法は2パターンあります。
- 依頼を受けてから製作
- 製作したプラモデルをヤフオク等に出品する
依頼を受けてから製作
人から依頼がくるようになればもはや本物のプロモデラーでしょう。
知名度がないと依頼はきませんし、依頼してきている人はモデラーの腕に絶対の信頼を持っているということになります。
金額は依頼を受けてからプラモデルのグレードや価格、製作期間等も考慮して決めることになります。
金額が決まれば依頼者が途中で連絡が付かなくなる等のリスクも考慮し、依頼金額の半分を前金で受け取ることが多いみたいですね。
仕上がった後は写メで完成体を確認してもらい、問題が無ければ厳重に梱包して発送、受け取り確認後に残りの費用を振り込んでもらう形になります。
製作したプラモデルをヤフオク等に出品する
製作依頼がない場合、あくまで趣味として製作することになります。
完成したものが思いの外出来がよかったりすると、ヤフオク等のオークションサイトで販売したいと思うことになります。
また、部屋やスペースのキャパを超えてしまったものを在庫処分するという意味でも、販売する人は多いです。
値段は言い値になるので、多くの人は元々のプラモデルキットの価格+αくらいで設定しています。
難しい種類の塗装や加工を施しているものは相場よりやや高額目で出品されています。
オークションではガンプラが驚きの価格で落札されたことも。
驚きの価格。高値で取引されるプラモデル
プラモデル界の中でも断然人気なのはガンプラです。
プラモデル業界の中でも圧倒的にキット数が多いこともありますが、何と言ってもガンダム人気は不滅であり安定市場ができているからです。
モデラーとして収入を得ているほとんどの人はガンプラの製作をしています。
過去のヤフオクの履歴を見てみると、分かった範囲だけでも135万円、92万円で落札されたものがありました。
1/100 MG RX-93 νガンダム Ver.Ka【926001円】
このνガンダム(ニューガンダム)は2013年11月11日に出品され、開始価格100円からスタート。
その後数日でどんどん値段が跳ね上がり、11月17日の終了時にはなんと926001円で落札されました!
参考定価:7560円(税込)
MGストライクフリーダム
こちらはストライクフリーダムガンダムのMGシリーズです。
全体の90%以上を改造しているということで、もはや原型すら残っていないのでは?というレベルのカスタマイズをしています。
落札価格はなんと100万円超えの1356000円!
ここまでくるともはや何かの芸術品を購入するレベルの買い物になります。
参考価格:7350円(税込)
もちろんカスタムに手間や時間がかかっているとはいえ、商品定価の定価の約100倍~180倍にまで跳ね上がるのはすごいですね。
ガンプラを出品するテクニックで大事なのは写真をかっこよく撮ることも大事です。
購入者は画像からしか情報を得られませんからね。
これらは少し常識を逸していますが、20万、30万くらいの価格で落札されているガンプラは沢山あります。
これからわかることはプラモデルの定価だけの問題ではなく、『誰が製作したか』『どんな完成度か』ということに価値を見出している人も確実にいるということです。
好きな種類のガンダムをかっこよく作られてしまったら、手に入れる為にお金に糸目は付けないんでしょうね。
なぜ人はわざわざ完成品を買うのか?
多くの人はモデラー達のように専用のエアブラシやその他の用具を持っている訳でもありません。
また、そういった製作の為の技術や手先の器用さがあるわけでもありません。
自分で作るとなったら時間も手間もかかります。
失敗してその時間が全て無駄になる可能性もあります。
それらを考慮するとお金を出してでも買った方がいいという方がいるのも事実です。
鑑賞用としてや一種の芸術品的なコレクションの一つとしてお金をかけているようです。
気になる収入。ガンプラ製作で有名プラモデラー界の大御所達
有名プロモデラー一覧
哀原善行
ガンプラ作例を中心に活躍中。
B-CLUB等の原型師。
ガンプラ啓蒙家を名乗っている。
一度引退をしたが2017年10年ぶりに復帰を果たす。
荒川直人
全周囲 360°から鑑賞可能なジオラマ<円形劇場>を製作する。
ガンプラ、スケールモデルともに扱い、WildRiver荒川直人とも名乗っている。
小松原博之
カトキガンダムの表現に定評のある人気原型師。「StudioRECKLESS」代表。
MAX渡辺
ガンプラ作例を中心に活躍。「MAXファクトリー」代表を務める。
ガンプラでの収入は?
このレベルの人になるとファンも付いているので1作品数十万単位で売れることもあります。
この方達はほぼほぼ受注生産になるので何ヶ月先まで予約が入っているでしょう。
仮に1ヶ月で1作品仕上げて平均で20万だと仮定し、雑誌のライターで月5万の収入があるとすれば、年収に換算すると300万円というところでしょうか。
もっと作品が高値で取引される人であれば500万~600万はいく人もいるでしょう。
これを多いと見るか少ないと見るかは人によるところだと思います。
しかしながらこのレベルの人達でこれくらい、日本でプロモデラーとして活躍している人の少なさをみると現実的には職業にするのは厳しいでしょう。
ある程度の道具一式と技術があるなら、商品原価を差し引いても月数千円くらいの売上があるでしょうからお小遣い稼ぎにはいいかもしれませんね。
まとめ:プロモデラーとしてだけで生計を立てるのは難しい。あくまでも趣味の範囲で!
プロモデラーとしてだけで生計を立てているのはごくわずか。
知名度が無ければ価格も高設定できないので、製作時間と販売金額のバランスが取れないことも。
休日を利用して趣味の範囲で制作して販売するなら副業レベルとしてはありでしょう。