引越しや転勤で家を売ることになったり、両親などから相続した実家など、自身が所有している家が空き家になってしまったときに、一番に考えるのが「売却」の選択肢でしょう。
しかし個人であっても、空き家を賃貸物件にすることで不労所得を得られる可能性があります。
この記事では、空き家になってしまった家を個人で貸す方法や、賃貸にするメリット・デメリットについて解説していきます。
空き家を売るか、賃貸にするか、管理維持するか。
所有している空き家を売る方が良いか、売却したほうが良いかはケースによって異なります。
それぞれのメリットやデメリットを紹介いたしますので、自分の場合はどちらが良いか、よく考えて選択するようにしましょう。
管理維持する場合は、思い出の場所を残し、トランクルームや別荘のような感覚で便利に利用することが出来ますが、長い間管理が出来ない場合は様々なトラブルが発生しますので注意しなければなりません。
空き家を放置しておくことは危険
「いつか帰ってくるかも」「思い出の場所を無くしたくない」などの理由から空き家をそのままにしているケースもありますが、非常に危険です。
空き家なのでいつ不法侵入があるかわかりませんし、一番多い問題がゴミの不法投棄の場所になってしまうこと。
また、放火などの悪質な犯罪の餌食になってしまうリスクもありますので、こまめな管理が出来ない場合は賃貸か売却のどちらかを行うようにしましょう。
個人で家を貸す方法
個人で空き家を貸す方法を簡単にご紹介いたします。
大まかな流れの説明となりますので、細かい部分は管理会社とよく話し合いをし決定していくようにしましょう。
管理会社を選択し、条件を設定する
個人で家を貸す場合、まず最初に行うことが「管理会社を選択する」ことです。
管理会社を決定したら、以下のような書類を用意しておきます。
- 建物登記簿謄本
- 土地登記簿謄本
- 間取図
- 印鑑
- 自宅の鍵
- 本人確認書類(運転免許証、印鑑証明書など)
書類の準備ができたら、今度は「家賃」「管理費」「更新料」「敷金・礼金」「火災保険の加入」などについて管理会社と話し合い、決定していきます。
賃料や管理費などは立地条件や建物の状態などにより変化しますので、周辺の賃貸の金額などを見ながら慎重に設定するようにしましょう。
入居者を募る
設定が終わったら入居者を募集します。
よくあるチラシやホームページなどで募集しますが、これは管理会社が行いますので個人では特に行動することはありません。
申込みしてきた募集者がいれば、入居を許可するか否かを選択します。
一度許可してしまうと簡単には契約解除出来ませんので、入居者の情報は慎重に調べるようにしましょう。
過去にトラブルを起こしていないかや、家賃の支払能力などについてはきちんと見ておく必要があります。
契約中は家賃の管理や借主からのクレームの対応の処理がある
賃貸といってもただ貸出しておけば良いというものではありません。
家賃が振り込まれていない場合は借主に催促したり、借主が住居の設備不良などに対し苦情を申し立てた場合はそれに対処するなどの必要があります。
賃貸物件で水道や電気などの設備トラブルが起こった場合は、修繕費用も管理人が請け負うことになります。
入居者が退去した場合はクリーニングやリフォームをする
入居者が退去してしまい新たな借主を探す場合は、ホームクリーニングなどで部屋を綺麗にする必要があります。
場合によってはリフォームが必要となりますが、そのような管理資金については全て貸主負担となりますのであらかじめ余裕を持っておくようにしましょう。
個人が空き家を賃貸に出すメリット「家賃収入が得られる」
空き家を賃貸に出すメリットは、なんと言っても家賃収入を得られる事です。
物件の立地条件や状態などにもよりますが、毎月10万円ほどの収入は期待できると言っていいでしょう。
物件を手放す必要がないというのも一つのメリットです。
資産としての保有にも繋がりますので、賃貸契約が終了したときに改めて自分や家族が住んだりすることも可能です。
個人が空き家を賃貸に出すデメリット「維持管理が面倒」
空き家を賃貸に出す際のデメリットは、入居者が入るまでは維持管理をしなければならない点です。
また、賃貸にするためにリフォームなどが必要な場合は管理者が費用を出さなければなりません。
賃貸を開始して入居者が現れ、契約して家賃を支払ってもらって初めて収入となるので、直接お金になるのには時間がかかります。
契約が早期で終了してしまった場合は新たな入居者を見つけ出すまで収入が途絶えてしまうこともありますので、資金に余裕がない場合は売却の選択肢も視野に入れる必要があるでしょう。
立地条件や建物の状態によっては、あまり賃貸に向かないこともありますので、その場合は売却の見積もりも出してみて、どちらが良いかよく検討しましょう。
個人が空き家を売却するメリット「まとまったお金が入る」
空き家を売却する際のメリットは、即金でまとまったお金が入ってくることです。
早期に売却する方が状態も良いので高値で売ることが可能です。
相続した家であれば、「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」という3,000万円以内なら税の特別控除を受けられることもあります。
空き家を管理していく資金がない場合やすぐにお金が必要な場合などは賃貸より売却の方が向いていると言えるでしょう。
ただし建物の状態や立地条件によってはほとんどお金にならないという場合もあります。
その場合は、建物を残しておきたいか、管理維持していく余裕があるかどうかで慎重に考えるようにしてください。
個人が空き家を売却するデメリット「家の所有権を失う」
空き家を売却するデメリットは、当然ながら家の所有権を失ってしまうので、後に使いたいと思ったときも使用することが出来ない点が上げられます。
さらに立地条件や家の状態によっては賃貸収入の方が総合的にお金になるケースも多いので、今すぐにまとまった資金が必要というわけではない場合は、賃貸とどちらが向いているかよく検討してから売却するようにしましょう。
まとめ 空き家は個人で貸すことも出来る。売る前に一度検討を
空き家を賃貸にする場合と売却する場合のメリットとデメリットについて解説しました。
賃貸は個人でも行うことが可能ですので、まずは自分が家を所有したままでいたいか、手放してもよいか、そして資金に余裕はあるか、もしくは安定して家賃収入を得たいかなどで、自分に合った方法を選択しましょう。