社会人として日々働いていると、「一発当てて大成功したいな」「大金が欲しいな」と常に思います。
現実的じゃないのはわかってるけど、とりあえず働きたくない…。
なかには、脱サラしてスモールビジネスで稼ぐぞ!と張り切って意気込んでいる人もいるでしょう。
ところで、「スモールビジネス」がどういう意味なのかご存知でしょうか。
一人からでもはじめられて、かつ資金を可能な限り削って行う起業のことですね。
ただやっぱり実際に手をつけるにはちょっと勇気が要りますし、デメリットやリスクも少なくありません。
でもメディアで紹介されているスモールビジネスを見ると、ついつい「自分でもできるのでは…」と考えてしまいますよね。
ここでは、脱サラしてスモールビジネスをしたい!という方向けに注意点をいくつか紹介します。
また失敗例から、特に気をつけたいことについても見ていきましょう。
スモールビジネスって何?メリットとデメリットから見るはじめかたの注意点
スモールビジネスとは、その名の通り小規模ではじめる起業のこと。
例えばいま流行の「フリーランス」も、「個人事業主」も、「中小企業」もスモールビジネスです。
要するにスモールビジネスに基準はなく、単なる便利な名称として使われているだけなんですね。
では、スモールビジネスのメリットとデメリットについて簡単に解説しましょう。
スモールビジネスの大きなメリット。自由度が高く資金も少なくて済む
- 時間的自由がある
- パソコンさえあればOKなジャンルも多い
- 規模が小さいため、起業資金は少なめ
最近の「スモールビジネス」とは、そのほとんどが「ネットビジネス」を指します。
例えばアフィリエイトやECサイト、ユーチューバーやライターなど、時間的制約の少ないのが最大の特徴です。
好きな時に好きな仕事に没頭できるため、集中して1つのことに取り組みたい方に向いています。
また「ネットビジネス」である以上、パソコンさえあればどこでも仕事が可能なところも特徴です。
事業所を用意したら、あとはパソコン購入費と雑費だけで起業、なんてことも夢ではありません。
また従業員を確保する必要性がないことも多いため、起業資金やランニングコストを抑えることができます。
スモールビジネスのデメリット。とにかくキャッシュフローが安定しない
- 収入や仕事量が安定しない
- 単価が安く、数をこなす必要がある
- 養う家族がいるとさらに大変
- 実績がなければ事業拡大は難しい
スモールビジネス最大のデメリットは、とにかく収入が安定しないということ。
例えばライティング1つとっても、1記事あたりの単価は文字数やジャンルによってバラつきがあります。
単価が安いものが多いので数をこなさなければならず、結局仕事に追われ続ける日々になるでしょう。
ある程度軌道に乗れば法人化し、事業を拡大していくこともできますが、走り出して半年~1年ほどは利益にならない、と考えておきましょう。
特にフリーランスの場合、仕事を自分で獲得しにいかなければならない場面も少なくありません。
例え売上が上がってきたとしても、手放しにしていてはすぐに顧客は離れていきます。
すぐに脱サラしようと考えている人は、一度冷静になって、今後事業を拡大していけるかどうか、売上が落ちないかどうか事業計画を練り直してください。
スモールビジネスのはじめかた。ハードルは高すぎず低すぎないよう注意する
では上記のメリット・デメリットを踏まえたうえで、スモールビジネスをはじめていきましょう。
スモールビジネスを始める上で用意しておきたいものは次のとおりです。
1 |
家族の理解を得ること |
2 |
開業資金を調達すること |
3 |
事業から退く基準を決めておくこと |
4 |
毎月かかる固定費をできるだけ削減すること |
5 |
自分ならできる!という考えを一旦捨てること |
家族の理解を得ること
デメリットでも紹介したとおり、スモールビジネスにおける収入はかなり安定しません。
脱サラしてスモールビジネス一本で行くとなると、家族を持っている方は当然気にかかることでしょう。
あなたがもし家族を養う立場なのであれば、入念な準備と理解が必要です。
起業とは決して博打ではなく、時代に沿ったニーズに合わせた商品提供によって成り立つものです。
それが本当に売れるのかどうか、あなただけの視点ではわからない場合もあります。
家族の理解とは決して収入面だけの話ではなく、第三者視点からの意見として受け止める必要があるでしょう。
開業資金を調達すること
どんなに小さなビジネスであっても開業資金は必要です。
副業から入って、それがうまく売上に繋がったからスモールビジネスに、という方も少なくないでしょう。
もしも将来的に法人化を考えているのであれば、例えしばらく商品が売れずに利益が上がらなくても倒産しないレベルの資金が必要です。
別に法人化の予定はないし…という場合でも、可能な限り事業資金を準備しておきましょう。
事業から退く基準を決めておくこと
家族の理解を得て、開業資金も調達して、それですぐに起業!というわけにもいきません。
実際に商品販売やサービス提供をはじめて、全く売れずに利益がない!なんてことは、ネットビジネスではざらにあることです。
- 走り出しはSNSで情報を拡散
- 3ヶ月から半年は名前を知ってもらう時間
- その後商品がひとつも売れない時期が続くのであれば速やかに撤退
上記は少しざっくばらんとしていますが、「撤退して諦める基準」はある程度明確に定めておきましょう。
毎月かかる固定費をできるだけ削減すること
スモールビジネスは起業にまつわる資金を最小限に抑えることができます。
その代わり、毎日のように使うパソコンの電気代、スマホ代、家賃など、生活費にほど近い事業資金における「固定費」をいかに削減するかが焦点となるでしょう。
自動車を利用するならその維持費、カフェで仕事をするなら食費、出張が多いなら交通費…。
いかに利益を生み出していても、固定費で大半が失われるようであれば、ビジネスとしては成立しません。
自分ならできる!という考えを一旦捨てること
よくある自己啓発本であれば「自分ならできる!と思い込む」と書いてあるのかもしれませんね。
他人のアイデアや失敗例を見て「自分ならこうして成功させる!」「もっとこうしたほうがいいのに」と思ったことがある方も多いかもしれません。
しかし、そうしたアイデアは「誰もが一度は考えている」と思っておいたほうがいいでしょう。
少し考えて真似できるくらいのスモールビジネスであれば、誰もが手をつけているに違いありません。
誰もが考えているのにそれがない、ということは、何らかの欠陥や問題がある、ということです。
- 明らかに人手不足である
- 知識や経験不足である
- それを行うための資金が足りない
- 集めた情報の良い面だけを捉えてしまう
あなたのアイデアにこうした問題点がないかどうか、改めて確認して取り組んでいきましょう。
脱サラしてスモールビジネスをはじめたい!失敗例から見る注意点
「それでも脱サラしたい!自由な時間で自由に働きたい!」
そんな信念を持っている方にとって、「スモールビジネスの失敗例」は大変興味深いものではないでしょうか。
これは売れる!と思ったものこそ、慎重に先々のことを考えていきましょう。
スモールビジネスの失敗例…副業をすぐにビジネスにしてしまう
例えば、ブログ広告などのアフィリエイトは今ではすっかり当たり前のネットビジネスです。
無名なら稼ぎはゼロに近いですが、一度拡散されれば知名度は爆発的に上がります。
そのため、あえて炎上を狙った記事を繰り返し投稿し続けるブロガーもいるほどです。
こうしたアフィリエイトを副業として、月にいくらかは稼いでいる、という方は少なくありません。
しかしネットのコンテンツ消費スピードは年々早まっており、昨日まで話題だったことがすぐに忘れ去られていきます。
一度大当たりしたからといって一気に本業を辞め、ブログ更新一本にしてしまうのはあまりにも早計です。
集客プロモーションが下手すぎる…差別化しすぎても、しなさすぎてもダメ
スモールビジネスをするにせよ、何をするにせよ、「集客」を考えないことには利益は生まれません。
たとえ話ですが、ジムを運営している人がいたとしましょう。
会員制のジムですが、整形外科とタッグを組んでいて、マンツーマンのトレーニングに加え、クールダウンのマッサージまでしてくれる徹底したサービス提供が魅力です。
しかし最寄り駅から徒歩10分以上、駐車場は少なく、閉店時間は20時です。
加えてアクセスの良い立地でもなく、広告もほとんど出していません。
果たしてこんな立地、営業時間でスポーツジムが運営できるのかというと…NOですよね。
どれだけ良いものを作っています、売っていますと自負していても、人に知られなければ意味がありません。
これはジムの話だけでなく、スモールビジネスでも同じです。
ブログだけで集客するのか、SNSも利用するのか、他の媒体も利用するのかでは雲泥の差が生まれます。
常に新しい顧客を獲得すること。
そして長く、何度もサービスをリピートしてもらうこと。
この2つを意識するのは、スモールビジネスをする上でも、企業に勤める上でも同じことです。
しかし、だからといってその辺に転がっていそうな商材ではいけません。
真新しさ、斬新さ、時勢にフィットしているかどうか、そして人目につくかどうか。
これがすべて出揃って、やっと走り出すことができるのです。
スモールビジネスの魅力を発揮できない…時代に沿ったサービス・商品の提供
スモールビジネスの最大のメリットは、その自由性にあるということはすでに紹介した通り。
フリーランスをするにせよ、何か店舗を構えるにせよ、自分の好きな時間に好きな仕事に打ち込むことができます。
しかし、「すべての時間が営業時間」になってしまうことだけは避けるようにしてください。
スモールビジネスのデメリットとして挙げたうちの1つに、「仕事を抱え込みすぎること」があります。
これは特にクラウドソーシングなどで仕事を引き受ける場合、単価が安いためにたくさんの仕事を一度にし過ぎてしまう状態を指します。
すると目の前の仕事を終わらせることにしか目が向けられず、流行のデザインや時事に関する情報取得が疎かになっていきます。
その結果、時代に沿ったサービス・商品提供ができず、少しずつ利益率が下がっていく…という事態に。
急いで取り組むほど痛い目にあう…誰かに話すことは決して悪いことではない
自分で思う「こんなのがあったらなあ」という思いつきは、世界ではじめてかもしれないし、すでに失敗して使い古されたものかもしれません。
- やりたいけど様々な障壁があってできない
- ニーズがない
- 過去に失敗例や類似例があった
- とりあえずやってみようと思った
- 早く手をつけたくて誰にも相談しなかった
こうした「急ぎ足」は、かえってスモールビジネスの拡大を抑制してしまいます。
すでにその業界にいる人への相談、成功例よりも失敗例の具体的な内容の調査などは徹底して行いましょう。
まとめ:スモールビジネスを始める時は副業から。いきなり規模を大きくするのはNG
スモールビジネスをはじめるにあたって、気をつけるべきことはたくさんあります。
しかしそれ以上に、働き方を自由にできることは大きな魅力であり、やりがいに繋がることです。
「誰もやっていないこと」は「誰もが挑戦して挫折したこと」でもあります。
本当にそのスモールビジネスで稼いでいくのであれば、準備と相談は徹底するべきです。
少しでも不安が残るようであれば、そのビジネスは副業に留めておくようにしましょう。