高価なアクセサリー、バッグ、ブランド品…。
別に欲しいと思わなくても、ついつい手に取ってしまうことってありますよね。
ですが店員さんから「限定ですよ」「似合いますよ」と後押しされると、ついつい買ってしまう。
一度や二度ならよくても、毎日のようにこれを繰り返しているといくらお金があっても足りません。
それでもまだ足りなくて、借金をしてでも買い物を繰り返すようになってしまうと、それはすでに依存症の域に達しています。
「買い物依存症」とは、高額な商品を何度も何度も繰り返し購入してしまう依存症です。
ギャンブル依存症と同じく、専門の医療機関にかかり、リハビリをしなければ克服できません。
しかしまだまだ世間の目は厳しく、「甘えではないのか」という的外れな意見も多くあります。
ここでは買い物依存症について、どんな症状なのか、克服するための方法を解説していきます。
買い物依存症とはどんな症状か。当てはまる方は要注意
冒頭でも触れましたが、買い物依存症とはどんな症状のことを指すのでしょうか。
1 |
ストレスを解消するために高額な商品を購入する |
2 |
一時的にスッキリするが、その後すぐに購入を後悔する |
3 |
高額な商品を見ると欲しくなる。ガマンするとイライラする |
4 |
家族に黙って商品購入。お金がなくなったら借金してでも買う |
5 |
購入した商品を使うこともなく、また次の商品を買う |
買い物依存症とは、上記のようなことを何度も繰り返してしまう依存症です。
欲しくもない、生活に必要ない高額な商品を購入し、一時的な快感を得たあとにすぐ後悔。
それでもストレスが蓄積されるたびに同じことを繰り返し、やがて借金に手を出してしまう依存症です。
買い物依存症になってしまうのはどうして?欲しくもないのに買ってしまう理由
では、どうして人は買い物依存症になってしまうのでしょうか。
買い物依存症とよく似た病気のひとつに、「ギャンブル依存症」があります。
ギャンブル依存症患者はどちらかというと男性が多く、ギャンブルがやめられず借金を繰り返す…という症状が一般的です。
買い物依存症と違い、トリガーとなっているのが「パチンコ」「スロット」であることも有名ですね。
この2つの共通点は、「日々のストレス・不満」と「解消方法」にあります。
特に買い物依存症が女性に多いのは、ストレスや寂しさを買い物によって発散してしまうため。
「あースッキリした!」と感じた瞬間に脳内で快楽物質が分泌され、その瞬間を何度も体感したいために同じことを繰り返してしまうのです。
これが買い物依存症であれば「高額商品を購入した瞬間」。
ギャンブル依存症であれば「パチスロで大当たりした瞬間」に当たります。
高額な商品を買って、「これだけのものが手に入った!」という束の間の喜びを経て、依存症はどんどん重くなっていきます。
最終的には自己破産もあり得る。借金を返せなくなる前に
買い物依存症やギャンブル依存症の終着点は、「自己破産」です。
借金が膨らみ、自分では到底返せない額になり、家族や知人に借入を申し出るようになってはじめて、疾患であることが判明するケースがあります。
買い物依存症にはエビデンスが不足しており、精神疾患としてはまだ認められていません。
しかし、ひとりで完治させるには到底難しい症状が長期的に続くことが考えられます。
また買い物を咎められる恐怖から、なかなか当人は自分から言い出すことができません。
借金返済が困難で、もう自己破産しかない…となる前に、悩みを打ち明けられる機関や人を見つけておきましょう。
参考:体験者が語る【自己破産したらどうなるか】素朴な7つの質問に答えた
買い物依存症になりやすい人の特徴は?日頃からストレスを抱えやすい方は要注意
前項で紹介した通り、買い物依存症の引き金の多くは「ストレス」にあります。
- ストレス耐性が低い
- 真面目で責任感がある
- 自分に自信がなく、自己肯定感が低い
- 他の人がオススメしているとついつい買ってしまう
- ブログやSNSで見たものはすぐに欲しくなってしまう
- ストレスを発散させる方法がわからない
こうした方は、ふとした購買意欲から買い物依存症になってしまう場合があります。
また「寂しい」「不安感」「不満」「承認欲求」など、自分では気が付きにくいようなストレスが原因になってしまうことも。
自分に合ったストレスの発散方法はなかなか見つけにくく、「欲しいものが買えないイライラ」からはなかなか逃れられません。
買い物依存症になってしまうと、「完治」と呼べる状態にまで戻ることはほとんどできないのです。
買い物依存症の克服の仕方。人の手を借りてでも遠ざけることが重要
買い物依存症は自分一人の力だけでは抑制しづらく、第三者の協力が必要不可欠です。
しかし依存症に陥ったことのない方からは、「カードを持たなければいい」「着飾りたいだけだ」などというまるで見当違いな解決策しか上がってきません。
特に重要なのは家族の理解とケア対応であり、これなくして治療は難しいと言えるでしょう。
- 不要なクレジットカードの解約と処分
- 一日に渡す金額を限定する
- 買い物中に一人で行動させない
- 友人や家族に「本当に必要なものかどうか」確認してもらう
これらに加え、依存症専門の医療機関にかかり、リハビリを受けて克服していく必要があります。
心療内科や精神科などでは、抗うつ薬や不安をやわらげる薬などで治療を行います。
リハビリが行える自助グループやNPO法人もあります。
このように、社会全体で依存症に取り組もうと言う動きは常にあります。
買い物がやめられない、依存症だからといって、一人で悩み続けることはないのです。
まとめ:買い物依存症はひとりで克服しようとせず、第三者の協力が必要不可欠!
2018年2月末現在、買い物依存症はまだ精神疾患として認められていません。
男女どちらかが多い、というわけでもなく、男性で買い物依存症に陥ってしまう方もたくさんいます。
買い物依存症になりやすい人は、責任感が強く、常に何かに追われ、「こうしなければ」という真面目さを秘めています。
だからこそ誰にも迷惑をかけないようにして、依存症をより悪化させてしまいます。
ひとりで完治できるものではない、ということを自覚して、すぐに第三者に助けを求めてください。