「子どもを学校へ行かせるためのお金がない…」
高校や大学への進学に際して、どうしても引っかかるのはお金の問題です。
特に私立に進学するとなれば、収入では到底補えないような莫大な費用がかかります。
そんな時に利用したいのは「教育ローン」ではないでしょうか。
教育ローンは様々な金融機関で提供されている、目的別ローンの1種です。
特に通学・就学支援に特化しており、比較的低金利で借り入れることができます。
しかし、実際に利用するとなるとどのような手続きが必要になるのか、不安ですよね。
また、「日本政策金融公庫」「銀行」「JAバンク」など、それぞれでサービス内容が異なります。
さらには奨学金制度も利用できるので、どれから手をつけていいのかわかりません。
ここでは、そんな教育ローンについて、イラスト付きでじっくり解説していきます。
教育ローンとはどんなローン商品なのか?
まずは、教育ローンの概要についてご紹介していきます。
教育ローンはおおまかに、以下の2種類に分類することができます。
それぞれの特徴とあわせて見ていきましょう。
教育ローンには以上の2種類があり、それぞれ「金利が低い」「審査が厳しい」などで違いがあります。
また奨学金は子ども本人の債務であることに対し、教育ローンは子どもの親の債務となります。
国の教育ローンってどんなローン?受給条件や申請先は?
まずは、最も利用者数の多い国の教育ローンについて解説していきます。
「国の教育ローン」とは、日本政策金融公庫が提供している「教育一般貸付」のことです。
国の教育ローンの主な概要と特徴は以下のとおりです。
利子 | 年率1.81%(2017年10月現在) |
融資上限額 | 最高350万円以内 |
振込までの期間 | 20日前後(時節による) |
返済期間 | 15年以内 |
保証人の有無 | 連帯保証人が必要 もしくは、(公財)教育資金融資保証基金による保証が必要 |
このように、学校にかかわる費用であれば、大抵のことに利用することができます。
また返済期間もかなり長く設定されており、在学中であれば利息のみの返済もOK。
しかし、返済が長期化するほど返済総額が大きくなるので注意が必要です。
国の教育ローンには所得制限がある!?
国の教育ローンを利用するためには、所得制限をクリアする必要があります。
これは子どもの人数によって定められており、世帯単位での所得が原則です。
子どもの人数 | 世帯年収の上限額 | 世帯所得の上限額 |
1人 | 790万円 | 590万円 |
2人 | 890万円 | 680万円 |
3人 | 990万円 | 770万円 |
4人 | 1,090万円 | 870万円 |
5人 | 1,190万円 | 970万円 |
また、国の教育ローンの審査では以下のようなことを調べられることになります。
こうしたことからも、国の教育ローンは比較的審査が厳しい、と言われています。
ですが、だからといって民間の教育ローンの審査が甘いというわけではありません。
それぞれの利用条件を確認しながら、世帯の状況にあったローンを利用しましょう。
国の教育ローンの申請方法と必要書類は?
国の教育ローンを利用するには審査が必要です。
審査の申込は、インターネットか郵送で行うことができます。
郵送で申し込む場合は、借入申込書を電話で請求する必要があるので注意してください。
このように、最短で20日程度で融資がはじまります。
なお、入学シーズンは申込が殺到するので、融資までに時間がかかる場合もあるようです。
審査申込は受験前、合格発表前でも可能なので、早めに申し込んでおくようにしましょう。
民間の教育ローンってどんなローン?国の教育ローンとどう違う?
それでは、民間の教育ローンの特徴や概要について触れていきましょう。
民間の教育ローンには以下のような種類があります。
- JAバンクの教育ローン
- 都銀、地銀、信用金庫、信用組合の教育ローン
- 信販系の教育ローン
ここでは具体例として、JAバンク、みずほ銀行、オリコの教育ローンを比較してみましょう。
JAバンク | みずほ銀行 | オリコ | |
利子 | 住まいによって異なる | 年4.25%(固定金利) | 学校により異なる |
融資上限額 | 1,000万円 | 300万円 | 500万円 |
振込までの期間 | 記載なし | 記載なし | 立替払いで最短5日 |
返済期間 | 15年以内 | 10年以内 | 利用月の翌月から返済開始 |
保証 | 必要 | 不要 | 原則不要 |
JAや銀行系教育ローンでは、固定金利か変動金利を選ぶことができるのが一般的です。
またJAに関しては住んでいる場所によって異なるので、各JAのホームページで確認しましょう。
返済期間も長くなっていますが、保証の有無はその金融機関によって異なります。
さらに融資までの期間や審査時間の明記がないので、実際にお金が入ってくるまでに待機時間があると考えておきましょう。
一方、オリコやジャックスなどの信販系は、それぞれ提携している学校によって金利が異なります。
基本的には各社のホームページから提携している学校を調べ、金利をチェックすることになります。
また学校へ直接立て替え払いする方式を取っており、教材費や定期代には利用できないことも。
さらに返済期間の明記はなく、利用月の翌月から返済開始となります。
JAバンクの教育ローンの利用条件、申込手順と必要書類のまとめ
銀行系教育ローンの利用条件、申し込み手順と必要書類(みずほ銀行の場合)
信販系教育ローンの利用条件、申し込み手順と必要書類(オリコの場合)
このように、利用する金融機関によって教育ローンの利用方法が大きく異なります。
ほとんどが保護者が申し込むことになるので、世帯状況に併せて利用するのがベストでしょう。
また、場合によっては奨学金とうまく組み合わせて利用することも検討しましょう。
教育ローンは奨学金や学生ローンとどう違う?
「でも、教育ローンって奨学金とどう違うの?」という疑問のある方も多いと思います。
奨学金と教育ローン、さらに学生ローンについて、比較して違いを見てみましょう。
教育ローン | 奨学金 | 学生ローン | |
利息 | 借りた翌日から発生 | 卒業後から発生 | 借りた翌日から発生 |
返済方法 | 借りた翌月から開始 ※利息のみも可能 |
卒業後から返済 | 借りた翌月から開始 ※利息のみも可能 |
返す人 | 保護者または本人 | 学生本人 | 学生本人 |
教育ローンと奨学金の大きな違いは、返済する人が保護者か、学生本人であるかどうかです。
また奨学金は利息や返済が卒業後から始まるのに対し、教育ローンはすぐに返済がはじまります。
利息のみの返済も可能ですが、教育ローンはすぐに負担がやってくる、と考えて良いでしょう。
学生ローンも奨学金同様、学生本人が組めるローンのことです。
ただしデメリットが多く、本人の負担になることも多いため、当サイトではオススメしていません。
学生ローンについては、以下のページでも詳しくご紹介しています。
まとめ:長期的な負担になるようであれば、教育ローンよりカードローンもオススメ
教育ローンは、一般的には数百万円単位の大金を借りることになるローン商品のひとつです。
そのため返済期間が10年以上と長く設定され、経済的負担が長期化する恐れがあります。
奨学金や教育ローンの返済は親と子どもが協力する必要があり、完済までは長く険しい道のりとなります。
ですが、「今月の学費が少し足りない」「仕送りが多く必要になった」などの事態も考えられます。
そんな時は教育ローンではなく、一時的な補填として民間のカードローンの利用も検討してください。
利息は少し高くなりますが、即日融資かつ使用用途自由なお金を借りることができます。
もちろん借入に関しては、無理のない範囲で必要な分だけ借りるよう心がけてください。
以下のページでは、安心して利用できるカードローンをまとめてご紹介しています。